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劇団献身主宰の奥村徹也のブログ。愛想を振りまくtwitterと違い、1日平均アクセス数3の当ブログでは好きなこと、書きづらいことをたくさん書きます。右の猫がかわいい。
「幕張の憶測」後記
2017年05月24日 (水) | 編集 |
奥村です。
劇団献身第9回本公演「幕張の憶測」無事終演しました!
忘れないうちに、感想とか裏話とか、だらだら書きます。

今回は、あらすじにもある通り、初めてミステリーに挑戦しようと思いました。
緻密なミステリーではなく、偏差値30台の、強引な憶測としか言いようがない、あて推量だらけの推理もの。
推理ものに見せかけて、全然推理できない、フェイクミステリーコメディ。
謎を解くためにご都合主義で推理を進めていくとどんどん論理は破たんしていき、真実は一つも浮かび上がらず、ウソだらけの最終的な解答が完成した矢先、意外なほどシンプルで残酷な真実が突然現れるという、、
こういう風に書くと、結構面白そうだ。

で、そしてご来場いただいた方はわかると思いますが、これ、やめました。すみません。
緻密なプロットを作るのが大変だったり、いざプロット第1稿を作ってみたら映画「キサラギ」と酷似していたり、理由は色々とありましたが、それよりなにより、
「なんでこれ作ってるんだろう」と思ってしまいました。

劇団献身はこれまで「ナンセンスコメディ」と銘打って、作品を作ってきました。
それに対して、何か風穴を開けてやろうと思っていました。いつもとは違うものを。
焦っていたのもあります。
前のブログにも書いたんですが、進化が必要だと思ったんです。劇団として、個人として。
だけど、それは実態の伴わない幻想でしかなかったです。自分の作りたいもの、観たいもの、書きたいものとズレていました。

結局、あのまま作り続けても、借り物の、熱のこもらない余所行きの作品にしかならなかったと思います。
自分の劇団で、無理して格好をつけた余所行きの作品を作りかけて、やる意味もわからなくなり始めました。好きなことやる場所として劇団献身があるのに、そこで何を格好つけてるのかと。
進化はきっとしかるべきタイミングで勝手にするものだ! そう自分に言い聞かせました。

というわけで、原点に立ち返ってみました。
純粋に、ふざけ倒したコメディ。原点も原点。僕が大学時代に書いていたような、ワンシチュエーションのドタバタコメディ。

結果的に、大好きな作品になりました。
大学時代とはクオリティが段違いになっていたのも、なんだか時の流れを感じました。

右往左往したせいで、脚本はかなり遅くなりましたが、最高の座組に囲まれて、なんとか上演にこぎつけました。
優しく、臆さず、準備を続けてくれる役者のみんなに、本当に感謝をしています。

さらに、熱を込めるにあたり、自分の切実な部分を乗せました。
右往左往して、脚本が遅れ、その他さまざまな困難が降りかかり(OP映像撮影とGWが重なって、人ごみの中で撮影が進まなかったりそういうくそくだらねえ細かいことがたくさん)、やばいやばいと言いながら
膨大にやることがあるにも関わらず毎日6時間寝る自分。
確実に睡眠をとる自分。
それってどうなんだ、と思いました。
もっと頑張れよ、自分。と。
朝、頭を殴りながら、それでも起きられない自分。

自分は頑張れない。
徹夜できない。
明日までになんとかしなくてはいけなくても、一旦仮眠を取ってしまう。

そんなクソ弱い自分が嫌で嫌で、逃げ続けてる自分が嫌すぎて、
でも、だからこそ、ゴミクズみたいな人間の気持ちがリアルな部分でわかると思って、
物語の中心に「現実に向き合えない、戦えない人」を据えました。

あれは、僕自身です。
ゲームばかりして、現実から目を背ける。ウソにウソを重ねて身動き取れなくなる。ゲームをやめてしまったら辛くって仕方ないから、やめられない。
「こんなドクズを中心に据えて、本当に大丈夫か、、」という疑念もよぎりましたが、思いがけず「共感した」という声もたくさん聞こえてきて「ああ、みんなクズな部分があるんだな」と少しだけ安心したりもしました。
ラスト、困難に立ち向かうべき、戦いに行くべき状況を全て整えて、そこで落ち着いて考えてみて、僕だったら絶対戦わないな!という結論に至り、ゲームのなかで戦うという、クズの最高到達点に到着しました。

まあ、とにかくそんな感じで、
そういうの作ろう!と決めてからは
「自分のクズな部分」と「最後はストリートファイターⅡ」で戦う、という訳の分からない2つの羅針盤を軸に、物語を組み立てました。
なんとかかんとか、みんなで作りながら、書き進めました。
そして、ほぼほぼ脱稿して、稽古残り3日の時点で120分を超えてしまったときは絶望しました。
なんとなく、この作品は100分で見せたかった。間違いなく100分のサイズ感の物語でした。

結果として、沢山の不要なギャグをボツにしました。辛い作業でした。
自分の中の何割かは、くだらないギャグをやるために演劇やってるような気さえしてるのに、それを削る。。
・野上が倉田をだますために、富田になりすますシーン。
あそこは、本当は「人見知りの坂本」というキャラもいて、本当に七変化なシーンだったのですが、泣く泣くカットしました。今思っても、間違いなく不要ではありました。
・金田が奥二重になるシーン。
村瀬に追いつめられて、「目出し帽被っているがわかりやすく一重である」と言われ、瞼を引っ張って奥二重にする。しかし、怪しまれうちわで扇がれて、瞬きして戻る。そして殴られる。これもまた、間違いなく不要ではありました。

あとはたとえば、暴走族役の人たちが華奢で、バイトの面接を受けにきた宇野だけムキムキだったら面白いなと思って、宇野役の渋谷くんに1カ月の肉体改造を強いたにも関わらず、その下りをカットしたりしました。結果として、痩せてまあまあいい体になった渋谷君が、特にイジられることもなく、舞台で立ち続けるということになりました。

ただ、アフタートークで沢山のボツシーンを上演し、供養できたので、よかったです。ウケました。
今後もボツシーンは必ず供養したいです。
ちなみに渋谷君のは、忘れてて供養できませんでした。ごめんね。

とりとめのない文章ですが、今の感情をここに閉じ込めておきたいだけなので、このまま書きます。

ストⅡの映像は、出演者の古賀と一緒に、劇場入りしてから何度も撮り直しました。
ベガがピヨって、最後昇竜拳で倒すところで、僕の勝負弱さが露見し、うまく出せない。昇竜拳が出せない。弱パンチしか出ない。みたいなことがたくさんあって苦労しました。
だけど、なんとかできてよかった。

今回、演出面で初めてやりたいことが全部出来た気がします。
稽古中がとにかく不幸の連続だったので、劇場に入ってから揺り戻しが来た感はありました。劇場でトラブルがいつもより格段に少なかった。
何より、少しずつ、スタッフ含めた劇団献身の座組が強くなってきている気がする。

全14ステージ。
今回、僕はほぼ出ずっぱりだったのですが、むちゃくちゃ疲れました。
役者ってすごいなって素直に思いました。献身に出てくれる人たちはこんなにハードなことを、いつもやっているのか。
いや、すごいよ。頭おかしいわ。

劇団としての動員もかなり伸びて、一人でやっていたころに比べ、ここでもチームの強さを感じています。
12月は駅前劇場で本公演。
旗揚げしてからずっと審査に出してて、3、4回くらい落ちて、やっとたどり着きました。
3年でたどり着かなかったら辞めようと思っていたのですが、3年3カ月でたどり着きました。自分に甘いクズ野郎代表として、この3カ月はロスタイム扱いにして、演劇をもう少し続けようかと思います。

次は、もう少し人間を描いた、苦しい話になります。でも、コメディです。
「悪いやつ~」とか「遺言ビッチ」みたいな訳の分からないやつも久しぶりにやりたい(今回で言う、冒頭の10分のシーンみたいなのが100分くらい続くやつ)ので、来年あたりできたらいいなと思ってます。

8月にはコントもやります。
これは絶対楽しいので、遊びに来てください。
遊びに行く、というのがぴったりな、ただただ楽しい公演です。

そんなところですかね。
今回もたくさん業を背負いました。感謝しても、頭を下げても、全然足りない。早くみんなにお返しできる人間になりたい。
ありがとうございました。

7月には、木村と一緒にゴジゲンに出ます。
ゴジゲンは絶対面白いので、こちらもよかったら。

一気に書いたので、まとまらないんですけど、
他に書きたいこともある気がするんですけど、
また出て来たら書きます。

もっともっとすごいやつやりたい。
俺より強い奴に会いに行く、なんてそんな格好いいことは言えないけど、
クズなりに、みんなに助けられながら、なんとかもうちょっと、すげえやつ作るために頑張りたい。です。

以上です。
ありがとうございました。
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